集中講義2022@神戸
日程
* 初日は13:20からスタートです。会場自体は朝から(初日10時から)空けておくので、集中講義が始まる前でも議論等、自由にお使いください。
8月17日 (水) 8月18日 (木) 8月19日 (金)
10:00-10:30 岸根3 藤井2
10:30-11:00
11:00-11:30
11:30-12:00 昼休み 昼休み
12:00-12:30
12:30-13:00
13:00-13:30 全体連絡(13:20~)
13:30-14:00 岸根1 岸根4 藤井3
14:00-14:30
14:30-15:00
15:00-15:30 小休憩 小休憩 小休憩
15:30-16:00 岸根2 藤井1 藤井4
16:00-16:30
16:30-17:00
17:00-17:30 自由議論 自由議論 自由議論
17:30-18:00
講師・内容
  • 藤井啓資さん (ハイデルベルグ大学)
量子液滴におけるダイナミクス,特に対称性に基づく有効場の理論的なアプローチ
強く相互作用する量子多体系においては,個々の粒子を支配する基本法則からは容易に推測できない新奇な現象が発現する.こうした新奇な現象を理解することは,凝縮系物理学のみならず,原子核物理学,素粒子物理学といった様々な分野において最も重要な課題のひとつである.しかしながら,強相関故にその理解は難しく,現在でも各分野で活発に研究が行われている.本講義では,こうした強相関系へと適用可能な非摂動的アプローチの一つとして,対称性に基づく有効場の理論のアプローチを解説する.
有効場の理論は,系の持つ対称性と,注目するエネルギースケールに存在する低エネルギー自由度から低エネルギー有効理論を構成する方法である.こうして構築された低エネルギー有効理論は,系の詳細に依らない普遍性を持ち,強相関系に対しても信頼に足る解析を提供する.本講義では,ガリレイ対称性を伴う非相対論的量子多体系(本講義では,この系を「量子液滴」と呼ぶ.)に焦点を当て,この系の低エネルギー有効理論として,超流動体の有効作用と,常流動流体力学を扱う.有効場の理論の方法自体は伝統的な方法であり,講義で扱うのは基礎的かつ代表的な例であるが,適宜最新の応用にも触れる予定である.

1. イントロダクション
・ 有効場の理論の概論
・ 量子液滴について (液体ヘリウムや冷却原子系など,代表的な系の紹介)
・ 系の基礎的性質や基本的な対称性の確認など
・ 非相対論的スケール対称性&共形対称性

2. 超流動体の有効理論
対称性の自発的に破れた系は,ギャップレスのモードであるNambu-Goldstoneモードが現れ,その系の低エネルギーでの性質を支配する.こうした系は,低エネルギー自由度の同定が容易であり,また対称性変換のもとでの変換性が明らかであるため,有効場の理論の方法が応用される良い舞台となっている.U(1)対称性の破れを伴う超流動体を具体的に扱い,有効理論について解説する.

3. 常流動の流体方程式
流体力学をとりあげ,散逸を伴う輸送現象を議論する.流体力学も低エネルギー有効理論として理解でき,その流体方程式がどのような輸送係数を含みうるかは,対称性と低エネルギー自由度から定まっている.単純な常流動の流体方程式を扱い,対称性による輸送係数への制約として,共形不変性と体積粘性の関係をみる.


  • 岸根順一郎さん (放送大学)
電子系の摂動的繰り込み群
繰り込み群は,エネルギーや長さのスケールを変えながら多体系を眺める極めて普遍的な枠組みを提供してくれます.一方,概念の普遍性ゆえにその使われ方は多様です.このため,繰り込み群といっても人によって思い浮かべる内容がいろいろです.今回は,(私が知っている範囲で)いろいろな繰り込み群の見方を整理してみます.そのあとで,具体的にフェルミオン系を主な対象として摂動的繰り込み群の考え方と手法を解説します.今回の講義は,(世話人の方からのリクエストで)2002年という相当昔の「物性若手夏の学校」で行ったレクチャーをベースにします.夏の学校の講義ノートはこちらよりダウンロードできます.今回は,このノートの8.1節くらいまでをカバーします.ただ,当時の研究からは私自身も足を洗っていますし,さすがにテーマが古くなっています.そこで,ここでは書いていない「汎関数繰り込み群」などにも触れたいと思います.最近(とはいっても5年前ですが)「ジャロシンスキー・守谷相互作用を持つスピン系の繰り込み群解析」というのをやりましたので,その内容も取り上げます[1].また,(余裕があれば)低次元場の理論の普遍性にも触れたいと思います.

[1] Nosov, Kishine, Ovchinnikov, Proskurin, "Functional renormalization-group approach to the Pokrovsky-Talapov model via the modified massive Thirring fermions," Phys. Rev. B96, 235126 (2017)
予定している内容:
1. 繰り込みと繰り込み群
2. 固定点としてのフェルミ液体
3. 摂動的繰り込み群の基礎
4. 1次元電子系の摂動的繰り込み解析
5. 汎関数繰り込み群
6. 低次元場の理論のmapping scheme

会場
SUURI COOL Kobe 7F S704-705号室 および 6Fサロン @ 理化学研究所融合連携イノベーション推進棟
  • 住所: 〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町6-7-1 理化学研究所 神戸キャンパス 融合連携イノベーション推進棟(IIB)
     
  • 最寄り駅は神戸新交通ポートライナー「医療センター駅」です。三宮駅方面からポートライナーで来る場合には「神戸空港行き」に乗ってください(「北埠頭行き」だと医療センター駅には止まらず、市民広場駅で乗り換えが必要です)。また、計算科学センター駅にある理化学研究所計算科学研究センターは違う建物で本集中講義の会場では「ない」のでご注意ください。
  • 2Fの守衛で受付をして建物に入ってください。1Fからは建物に入れません。医療センター駅の改札から右手に素直に進むと2Fの入口までスムーズに行けます。
  • 集中講義は7F S704-705号室で行います。お昼休憩や議論は6Fのサロンで行います(6Fの黒/白板は自由に使えます)。他の階・部屋は使えません。
  • 建物内に食堂はありません。昼食はご自身でお持ちください。なお、医療センター駅にはコンビニ(デイリーヤマザキ)があります。そのすぐ近くにテイクアウトできるご飯屋さんが数件あります。会場の周辺にキッチンカーも日替わりで出没します。
その他の注意事項等
  • 集中講義はハイブリッド形式ですが、オンサイト参加は非平衡ワーキンググループのメンバーに限ります。一般の方のオンライン参加を歓迎します。興味のある方はこちらからご登録ください。 (本イベントは終了しました。)
  • 感染症対策にご協力をお願いいたします。特に、ワクチン接種が済んでいない方は事前にお済ませいただくようお願いいたします。

世話人: 池田(ISSP)、田屋(理研iTHEMS)、中村(中央大)、本郷(新潟大)、松尾(UCAS)